気づけば前回の更新から9か月が経過してしまいました。「ちょっといろいろあって最近触れてない」くらいの感覚でしたが、時の流れとは恐ろしいものですね。
同人活動をしています
それはおいておいて、実は筆者は同人サークルの主宰という一面を持っている。「一面を持っている」というとなんだか大げさだが、まあ「なんでもいいから何か文章を書きたい」という欲望に突き動かされることが(たまに)あり、それを満たすために、知り合いを巻き込んで雑誌「のようなもの」を作っている、ということだ。
さてこの欲求であるが、感覚としてそこまで特殊なものではないと思う。「小説は読みたい人に対して書きたい人の数がめちゃめちゃ多い」ということをどこかで聞いたことがあるが、それくらい、みんな何かを書きたいということなのだろう。
その欲望を叶える一つの方法がブログであり、世にブログが無数に存在する現状は、上記の証明にもなっているわけだが、ブログでやや弱いのは、強みでもあるその「手軽さ」だ。手軽であるが故、ブログは氾濫しているから、筆者自身そうであるが、一つのブログをそんなに真剣に読むというよりは、知りたい情報が記載されている部分のみ読んでページを移動、というパターンがほとんどだろう。そしてたいていそういう部分には、著者の文体の癖だとか表現方法であるとか、要するにその著者のオリジナリティは見えてこないし、読む側も別に見たいと思っていないことなのだ。
その点、紙の本をつくるのは手間がかかる。お金もかかる。読む側も、原則としてお金を払わなければならない。しかしだからこそ、著者の拘りを出せるし、読む側にもその部分に注目してもらえる可能性が高いのである。
また、これは紙というよりは同人誌ならではの特徴であるが、実際に読んでもらう人の顔がわかるいう点もよい点である。
ということで、「書きたい」欲を持つ一般人にとって、同人活動は当該欲求充足に非常によいものなのだが、①同人活動の良さに気づけない ②同人活動をしてみたいけどどのように活動すればよいかがよくわからない という主に2つの理由で、うまく充足できていない人が多いのではないか、という仮説のもと、①は今回上で述べたので、②以降についてその方法などを、今後述べていきたいと思っているが、以下では簡単に、筆者がどのようなイベントに参加し、どのような形態の同人誌を作成しているかを紹介する。それを見てもらって、自分のしたい活動がそれに近いと思ったならば、今後のより詳細な活動手順の記事を読んでいただきたい。
C96に参加しました
そもそもなぜこんなことを突然述べたのかというと、昨日(8/11)にコミックマーケット96に参加してきたからである。そう、筆者の主な活動の場はコミックマーケット(以下「コミケ」)である。
コミックマーケットが開催される東京ビッグサイト。2019/8/11著者撮影。
さて冒頭で述べたようにここでは「何か文章を書きたい」という欲望を前提としているから、つくるものは文章系の作品になるだろう。一方で「コミック」マーケットというくらいだから、コミケはマンガ作品でないと参加できないのではないか…そんなことを思っている人も多いかもしれない。
まあ、確かにそれは当たらずとも遠からずで、コミケのメインはやはりマンガあるいはイラスト作品なのだが、「評論・情報」1)ほかに文章系として、もちろん小説もある。筆者のジャンルと異なるため深く語れないが、文章系同人としてはそちらの方がメジャーかも。。というジャンルがあり、ここでは多種多様な文章系同人誌サークルが軒を連ねている。アニメ評論などは想像しやすいだろうが、それだけでなく、料理レシピ本、酒、競馬、プログラミング…など、ほんとうに多彩で(左記の例も割りとメジャーな法)、もしかしたら「世の中の事象で、それについて取り上げている本がない、ということがない」と思えるくらい、雑多な世界が広がっているのがこのジャンルなのであり、この魑魅魍魎さがコミックマーケットにおける「評論・情報」のウリのひとつである(と思う)。
というわけで、絵が描けなくてもコミケへの参加には全く差し支えない。かくいう筆者も、まあ文脈から明らかだが、「評論・情報」で参加している。
「音楽」をテーマとした同人雑誌を作っています
「物を書く」というだけでなく、他の人が書いた文章と併せてアンソロジーみたいなものを作りたいという思いもあったため、作っているのは雑誌のような体裁をとっていて、毎コミケごとに新刊を出す2)という、理想。実際は…ような感じである。
テーマは「音楽」にしている。もともと全くテーマを絞らないエッセイ集的なものをつくろうとしていたのだが、それだと流石に誰にも刺さらず、手に取ってもらえないため、かなり緩いテーマではあるが、もともと大学の音楽系のサークルの知人と一緒にはじめたということもある「音楽」で設定した。よって、サークルの配置も音楽系の評論が固まった島に配置されている。
とはいえ筆者自身はあまり…というか全く音楽に造詣が深くないため、音楽以外のことを書きたくなる場合もある。そんなときは、雑誌とは別に単体で一冊の本をつくっている。
製本の方法は、サークルによってこれまた多様で、一番簡単でお金もかからないものでは、自宅のプリンターなどで出力してホチキス留め3)もっといえばホチキス留めせず折るだけでもよいをしてつくる方法があり、これらは「コピー本」と呼ばれる。筆者のサークルでも、上述の「音楽には関係ないけど書きたくなったから書いたもの」はコピー本にしている。
一方で、「コピー本」の対語となるのは、印刷所に発注して印刷してもらう「オフセット本」4)厳密にいうと、印刷所でも印刷の方法として大きく「オフセット印刷」「オンデマンド印刷」というものがあるのだが、「コピー本ではなく、印刷所でつくった」ものの総称として、より厳密な印刷方法に関わらず「オフセット本」という言われ方をするようなので、ここでもそれに倣う、略して「オフ本」である。使ったことがないと知らないと思うが、企業向けでなく、個人向けにも印刷を受託している専門の印刷所というものは意外なほどあるもので、そこに依頼して作成する。
印刷所を使うとなれば、原稿の作成方法など最低限の知識などは必要で、また当然お金もそれなりに必要なので、手軽とはいえないが、やはりちゃんとした”本”を作りたいならばぜひともオフ本にすべきだ。筆者のサークルでも、メインとなる雑誌は、オフ本として作成している。
これまで頒布してきたもの。
とにかく、同人誌をつくるのはいいぞ
非常にざっくりではあるが、上記のような感じで同人サークル活動をしている。ぶっちゃけ、ズボラな筆者にとっては、毎度イベントの直前にタスクが溜まり、応募したことを後悔することになってしまっているのだが、それでもやはり終わった後の達成感の方が勝つ。
そんな素晴らしい同人誌の作り方、同人サークルの運営方法等を、個別に今後ちょくちょく述べていきたいと思っています。最後に、C96に参加された方、お疲れさまでした。
あまりまとまっていませんが、今後に期待してください。どうせ机上の暴論です。
References
1. | ↑ | ほかに文章系として、もちろん小説もある。筆者のジャンルと異なるため深く語れないが、文章系同人としてはそちらの方がメジャーかも。 |
2. | ↑ | という、理想。実際は… |
3. | ↑ | もっといえばホチキス留めせず折るだけでもよい |
4. | ↑ | 厳密にいうと、印刷所でも印刷の方法として大きく「オフセット印刷」「オンデマンド印刷」というものがあるのだが、「コピー本ではなく、印刷所でつくった」ものの総称として、より厳密な印刷方法に関わらず「オフセット本」という言われ方をするようなので、ここでもそれに倣う |